
藤田にコンサルを依頼しようと思った理由を教えてください。
藤田さんがサラリーマンの時、藤田さんはうちの会社から材料を買っていただく購買担当でした。その後、藤田さんが情報システム部に異動になり、IT系のことを相談すると、うちの会社の現場のシステムを作ってくれて、現場の効率が大幅にアップしたというお付き合いなんです。その藤田さんが、50歳にして中小企業診断士として独立されて、ご挨拶にいらっしゃいました。サラリーマン時代、藤田さんに大変お世話になっていながら情報システム部の幹部という立場上、手弁当でやっていただいたため、独立をされたのを機会にきちんとしたお金を払いたいと思いました。
コンサルを依頼するのに、何か迷いとか不安はなかったですか?
まったくなかったですね。藤田さんが独立したばかりだったので、まだ仕事もないだろうからこういう時こそ藤田さんのお役に立ちたいと思い、「ご祝儀でコンサル契約結びますよ」と自分から切り出しました。
実際にコンサルを依頼することになった決め手を教えてください。
わたしは創業者の父の跡を継いだ二代目なのですが、当時80歳を過ぎた父が、わたしのことを疑い始めたのです。会社の自分の財産を食いつぶすのではないか、と。会社に来ては、社員に「あの資料出せ!」とか「これはなに使ったお金だ!」という言い方が段々ひどくなっていきました。わたしは、弁護士や税理士、社労士に相談をしたのですが、全員父の側について相談できる人がいない状況でした。それが、ちょうど藤田さんが独立した時だったのです。
そんな中、サラリーマン時代も、藤田さんならば、自分ができないことでも他の人を連れてきて解決してくれた実績があるので、藤田さんならば、逃げないで必ずなんらかの方法で解決してくれるだろう、という信頼があったからです。
実際にコンサルが始まってみて、どうでしたか?
最初、藤田さんから「お父様は何%株を持ってますか?」と訊かれました。約70%です、と答えると、「これはまずい状況ですよ」と、わたしの立場は弱く、争っても勝ち目はないと言われました。そこで、初めて事態の重大さに気がついたのです。
会社は、父の時より、売上2倍、利益3倍になっていたので、わたしは安泰だという勝手な思いがありました。業績は上がっても、父の代のお客さんはまったくいなくなり、たぶん年齢的なことから父の猜疑心が強くなったのかもしれません。
さらに、わたしは子どもがおらず、わたしの代の後会社がどうなるのか、という不安もあったのだと思います。父から「おまえは、会社の利益を食いつぶしている」「会社を出て行け」と言われ、状況は悪化していきました。ついに、わたしに損害賠償の裁判をする、とまで言い始めたのです。
そんな時、藤田さんは、父が一番恐れていることはなにか?ということを考えられました。父は、自分が作った会社がなくなること、そのことがプライドから一番恐れていたことがわかりました。そこで、父の財産が減らずに会社を継続する方法はなにか?ということと、わたしが今まで通り事業を継続する方法はなにか?という観点から、ある提案をしてくれました。
藤田さんの提案のおかげで、裁判の話も消え、父も納得して、事態は無事収束することができました。
コンサルを依頼して、何が一番良かったですか?
藤田さんは、法律の専門家でも税務の専門家でもありません。藤田さんがしてくれたことはなにかというと、まず、わたしの話を聴いて、自分が置かれている状況をキチンと整理してくれました。物事がうまくいかなくなると、自分がどこにいるのかがわからなくなるのです。今自分がどこにいるのかがわかると、あたふたせず安心できました。藤田さんは、この安心感を与えてくれたので、その後の対応が冷静に見えてきました。
そして、今回のような人間関係の問題の場合、当事者同士だと感情的になってしまうところを、父の立場ならどうだろう?父の立場からわたしを見たらどうだろう?という視点から大局的に見ていただいたので、父も納得する方向で解決していただき、本当に感謝しています。
